添付ファイルを登録できるアプリを作成するにあたって、ファイルの保存先としてどのクラウドストレージを選ぶべきか、個人的に調査してみました。今回は、調査結果を共有します。
注目した要素
料金は大事な要素ではありますが、制約条件も無視できません。
コストに影響する主な要素は以下の通りです。
- 保存(データを保管する料金)
- 取出(ファイルアクセスにかかる料金)
- 転送(ネットワーク経由でダウンロードする料金)
一方、見落としがちな制約として、以下のようなものがあります。
- 最低課金日数(例:30日間分の料金がかかる)
- 最低ファイルサイズの課金単位(例:128KB未満でも128KB分課金される)
- 取出し時間の制限(即時アクセスできない場合あり)
これらを踏まえ、各クラウドストレージサービスを比較した表がこちらです。
比較表

※2025年9月時点の調査結果です
各項目の説明
- 保存:ファイルをクラウド上に保存しておくための料金
- 取出:ファイルを読み込む操作にかかる費用。※ネットワーク転送費用は含みません。
- 転送:ファイルをダウンロードするためのネットワーク費用。EC2 など同一リージョンのサービスからアクセスする場合、無料になることもあります。
- 最低日数:保存期間に関係なく、最低○日分の料金が発生する仕組みです。たとえば「30日」の場合、1日しか保存しなくても30日分課金されます。
- 最低サイズ:ファイルサイズが小さくても、指定の最小単位(例:128KB)で課金されます。
- 取出し時間:取出し時間の指定があるストレージは、即時ファイル取り出しができません。取出しリクエストを送り、指定時間の後にダウンロード可能となります。
利用シナリオに基づく料金見積もり
例えば、1日に写真3枚をメモと共に保存したとすると、1日およそ7Mb を保存していくと仮定します。
- 1年間で約2.5GB(7MB × 30日 × 12か月 ÷ 1,000)
- 20年間で約50GB
年に1回全てのファイルを取り出すと仮定すると、毎月約4Gb (50/12=4.1)のダウンロードが発生します。
為替レートは1ドル=150円として、これらの前提をもとに料金を試算しました。

評価・感想
- AWS S3 Glacier Deep Archive がもっとも安いですが、取出し時間の制約があるため、アプリから使うには不向きです。主にバックアップ向けです。
- GCP Archive は即時取り出せる点は魅力ですが、最低日数が約1年と長めです。同じくバックアップ向けと言えます。
- CloudFlare は取出しと転送が無料な点で非常に魅力的です。一方、リージョンを指定できないため、利用規約やデータ保管ポリシーに影響する可能性があり注意が必要です。
- AWS S3 Express One Zone は高性能低遅延がウリで、今回の安価なストレージを調査する趣旨と異なるのですが、試しに計算してみました。予想通り高額ですが、性能重視のアプリには良いかもしれません。
今回はここまでです。
次回は、自動割り当てについてご紹介します。
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