前回は、料金と制約の調査結果について共有しました。
今回は、AWS と GCP が提供する 自動コスト最適化機能 についてご紹介します。
自動コスト計算とは?
長期間アクセスされないファイルを、自動的に低コストなストレージ階層へ移動してくれる仕組みです。
各サービスでの名称は以下の通りです。
- AWS S3 Intelligent Tiering
- GCP Cloud Storage Autoclass
AWS の場合
- 初期状態では Standard クラスに保存されます。
- 30日 経過すると、自動的に Infrequent Access へ移行。
- さらに 60日 経過すると、Glacier Instant Retrieve に移行します。
- アクセスが発生すると、自動的に Standard に戻ります。
- 128KB以下のファイル は対象外となり、Standardから移行しません。
オプションを有効にすると、さらに低コストな下記のストレージクラスにも自動移行できます。
- Glacier Flexible Retrieve
- Glacier Deep Archive
※これらに移行した場合、即時のファイル取得はできなくなります。
GCP の場合
- 初期状態は Standard です。
- 30日 経過で Nearline に移行。
- さらに 60日 経過で Coldline に移行。
- さらに 275日 経過で Archive に移行します。
- アクセスが発生した場合、AWSと同様に Standard に戻ります。
課金体系の違い
通常のストレージと異なる課金体系があります。
- 取出し料金が無料
- ファイル管理料金が発生
1,000ファイルあたり $0.0025/月(※2025年9月時点、AWS/GCP共通)
見積もり例
前回の前提条件に自動コスト計算を適用してみます。
前提条件
- 年に1回すべてのファイルを取出す
- ファイル数1,000個
1年間で各階層でのファイル滞在期間は次になります。
- Standard 1ヶ月(1/12)
- NearLine 2ヶ月(2/12)
- ColdLine 9ヶ月(9/12)
- Archive 0ヶ月
※GCP のストレージ階層名で表しましたがAWS でも似たような状態になります。
※GCPでは約1年後にArchiveへ移行する仕様ですが、今回の前提では1年未満で全ファイルを取り出すため、Archive への移行は発生しません。

感想
二番目のと三番目のストレージ階層の中間程度のコストになりました。
取出し頻度と料金の関係が予測しづらいと思いました。
例)
- 毎月1回取出した場合はStandard とほぼ同じ料金
- 1日に連続12回取出した場合はこの見積もりのような料金
それでも、自動でコストを最適化してくれるのは大きな利点です。Standard より高くなることはなく、運用の手間を減らしつつ費用を抑えることができます。
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